is: 2007年12月アーカイブ

端午の節句


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ひな祭り、つまり桃の節句は女の子のお祭りです。それでは男の子のお祭りというと端午の節句です。ひな祭りが3月3日で端午の節句は5月5日。この両者は性別の違い以外にも取り扱いの面で違うことがあります。それは、5月5日は祝日つまり休日であるのに対して3月3日は特に祝日というわけでもなく、普通の日だということです。この違いは一体なんでしょうか?何か意味があるのでしょうか。
端午の節句は祝日なのにひな祭りは祝日ではないというのは女性差別だ、という指摘がなされたことがありました。祝日というのは国家がお祝いをするために国民を休日にしようとするものです。つまり、男の子のお祭りは国家にとってお祝い事であって、女性のひな祭りはめでたくないのか、という理屈です。男性である筆者もそうですが、当の女性ですらそんなことに気づかない人がほとんどですから、どんなことにでも文句を言おうと思えば言えるものです。
さて、その指摘に対しての公式な回答というものがあるそうですので、それを見てみることにしましょう。5月5日は「こどもの日」という祝日です。ちなみに祝日というのは「国民の祝日に関する法律」という法律によって定められており、そこにはそれぞれの祝日がどんな理由で祝日になっているのかが明記されています。その法律によると、こどもの日は「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。」ということだそうです。最後の「母に感謝する」というのはまた別の話という気もしますが、そこには男の子という言葉は一切出てきません。この法律は最近出来たような法律ではないので、先ほどのような指摘があったから男の子という文言を外したというわけではありません。最初から全ての子供が対象だったのです。それがたまたま5月5日になったというのは、諸説ありますが単に3月3日というまだちょっと寒い時期よりも初夏の心地よい時期にしたほうが喜ぶ人が多いからだというのが有力です。
そんな適当なことで祝日の日程が決まっているのかと言いたくもなりますが、最近施行されたハッピーマンデー(一部の祝日を月曜日に移動させることにより、連休にする制度)を見てもその傾向は今に始まったことではないのかも知れません。特にこどもの日は子供のための祝日ですから、子供が色々な活動をするのに適している時期を選んだというのもあるのでしょう。
現在ではこどもの日はゴールデンウィークの大切な一部になっています。もしこどもの日がひな祭りの日だったとしたら、現在のようなゴールデンウィークは無かったわけですから、今さら変えると言われても困る人のほうが多いのではないでしょうか。

ひな祭りの風習


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ひな祭りには人形を飾る、ということの他にも様々な風習があります。ここではひな祭りの風習についてのお話をしたいと思います。
まず、ひな祭りが3月3日なのは周知のところですが、それではひな人形はいつから飾るのが適当なのでしょうか。暦上では立春から2月中旬が飾り始める時期として良いとされています。立春というと2月4日ですから、ひな祭りからちょうど1ヶ月前からということになります。
3月3日のひな祭りが済んだ後、ひな人形をすぐに片づけないとその女の子の婚期が遅れるという言い伝えがあります。これは非常に有名なものなのでお聞きになったことがある方も多いでしょう。実際には3月中旬まで片づければ問題はないとされているのですが、なぜこのような言い伝えがあるのでしょうか。時期的には昭和初期の頃から言われ始めたそうですが、そこには年長者からの戒めとして「片づけがキチンと出来ない娘はいい嫁さんにはなれない」という意味が込められています。現在では結婚に対する価値観も多様になってきているので、これが戒めになっているかどうかは分かりません。
ひな人形は物によっては非常に高価なものもあります。ということは大変良い物であるということなので、大事に使えば末永く使うことが出来ます。ですが女の子が大きくなって自分のひな人形を嫁入りに持って行くと不幸になる、という言い伝えがあります。せっかく良い物を持っているので、結婚して嫁いだ先で女の子が生まれた時に使いたいと願うのはごく自然のことですし、それは全く問題ないそうです。もしかするとひな人形が売れなくて困ったお店が言いふらした迷信なのかも知れませんね。
ところでひな祭りと言うと甘酒というイメージも付き物です。甘酒というのはその名の通り少ないながらもアルコールを含有している立派なお酒です。未成年者の飲酒は禁止されていますが、この時ばかりはお目こぼしというのもひな祭りの面白いところです。それでは、なぜ甘酒なんでしょうか。甘酒は別名白酒、桃花酒とも呼ばれています。桃花酒という名称がつけられたのは室町時代にまでさかのぼります。この時代に桃花酒を3月3日に飲む風習があったので、たまたまそれがひな祭りと一緒になったのが始まりです。そんな理由なので、女の子のお祭りという意味合いとは特に関係はありません。
雛飾りには必ず桃の花があります。もちろん本物があれば良いのですが、現在では模型を飾ります。桃の木には邪気を祓う力があるとされており、この時期に咲く花であることからひな祭りに飾られるようになりました。

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