2008年1月アーカイブ

ひな祭りの歌


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ひな祭りにはひな人形、料理、お菓子、そしてなんと歌まであります。これだけ色々な文化が揃っているひな祭りというのは、いかに古くから人々に大切にされていたかが窺い知れます。さて、ひな祭りの歌と言えば一番有名なのが「明かりを付けましょぼんぼりに...」という歌いだしのあの曲です。これは意外に知らない人が多いのですが、あの歌のタイトルってご存知ですか?ほとんどの人が「ひな祭り」というタイトルだと思っているのですが、あの歌は「うれしいひなまつり」というタイトルです。
そんなタイトルの話はさて置き、この歌は4番まであります。普通は「お内裏様とおひな様 二人ならんですまし顔...」で始まる2番までしかないと思われています。この2番の歌詞にはちょっとした解釈論争があるのをご存知でしょうか。歌詞の原文は省略しますが、ひな人形の三人官女の白い顔がお姉様に似ている、というくだりがあります。このお姉様というのは「お嫁にいらした姉様」となっているので、この歌を歌っている本人には兄がいて、その兄のもとに嫁いで来た義理の姉が三人官女に似ているという説と、実の姉がどこかの家にお嫁に行ったということを歌っているという説。このどちらなのかが判然としないために解釈が分かれているそうです。
この歌にはあまり知られていない4番までがあると先ほど申し上げました。3番については右大臣の顔が赤いので、ひな祭りの定番である白酒を飲んだのかなという微笑ましい歌詞となっています。問題は次の4番で、ここでまた解釈が分かれる部分があります。着物を着替えて今日は私も晴れ姿、というくだりがあるのですがこれはいったい誰なのかという話があります。先ほどお姉様のことを歌っているのでそのお姉様の妹にあたる人物がひな人形を目の前にしてひな祭りの喜びを歌っている、と考えるのが妥当です。そのことには特に疑問はないのですが、先ほどのお姉様との兼ね合いで、このお姉様が誰なのかということによってこの「本人」の位置づけが変わってくる、というのです。
さらにはもっと飛躍した意見もあります。この歌は飾ってあるひな人形を眺めている人の目線ではなく、ひな人形の目線であるというもっともらしい意見もあります。これについえては具体的な言い分について割愛しますが、その言い分全てを読むと確かにごもっともだと納得させられてしまいました。
この歌は古くからある歌にアレンジを加えて現在の童謡になったという経緯があります。昔からある歌や童話は実は怖い、というどこかの本がありましたが、この「うれしいひなまつり」にもミステリアスな一面があるのかも知れませんね。

ユニークなひな祭り-西日本


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全国各地にあるユニークなひな祭りについて、すでに東日本について別の項でお話しました。次は西日本編です。 まずは京都の市比売神社で開催される「ひいな祭り」。ひな祭りではなくひいな祭りです。ここには京都人の気質がよく表れています。筆者は大阪在住なので日常的に京都との関わりもあります。その結果、やはり京都というのはあまりに伝統を重んじるあまりにそれが行き過ぎて嫌味に感じてしまうことが多々あります。このひいな祭りというのは、お察しの通りひな祭りのことです。そもそもひな祭りという言葉は平安時代の貴族子女が遊んでいた「ひいな遊び」が起源になっていると言われており、そんな平安貴族が住んでいた京都はこの名称を使っているのです。お盆になると京都の山に「大」の文字が光るイベントのことを全国的には「大文字焼き」と呼ぶのに対して京都では「五山の送り火」と呼ぶのに良く似ています。 さてこのひいな祭り、名称はともかくとしてどんなお祭りなのでしょうか。このひいな祭りの主人公はひな人形ではなく、人間です。というのも、人間がひな人形の衣装をまとってお雛様になるのです。しかも座っているだけではありません、五人囃子の演奏にあわせて三人官女が舞い踊るという本格的なものです。ひな人形が身にまとっている十二単は着付けをする段階から公開されるので、十二単に興味がある人にとっては大変有意義な趣向です。 西日本のひな祭りはひな人形を川に流すという風習を残しているところが多数あります。その中でも有名なのが鳥取市の流しびなです。もちろん本物のひな人形を流していたら大変なことになりますので、折り紙で作った紙製のひな人形です。これを川に流すと一年間無病息災であるという言い伝えがあります。厄や災難を川に人形が身代わりになってくれて川の流れとともに流してしまうという意味合いがあるようです。 東日本のところでお話しましたように、ビッグひな祭りというイベントが千葉県の勝浦市と徳島県の勝浦町にあります。こちら西日本の徳島ではそのイベントの徳島版が開催されています。 西日本編の最後は、非常に有名なのが大分県日田市で開催される「天領日田おひなまつり」です。このひな祭りは他の大掛かりなひな祭りイベントとはちょっと異なります。かつてこの日田市は江戸時代に豪商たちの活躍により非常に栄えていました。その時の豪商たちによる豪華なひな人形のコレクションを一般に展示するのが天領日田おひなまつりです。時代を超えても良いものは良いということで、本物のひな人形を見ることが出来る貴重なイベントです。

ユニークなひな祭り-東日本


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ひな祭りはそれぞれの地方で独自の文化を伝えてきたイベントとして知られています。他にも土着のイベントはありますが、ここまでしっかりと風習が残っているのはひな祭りを置いて他にはないとも言われていますから、ここではそんな全国各地にあるユニークなひな祭りを見てみることにしましょう。たくさんありますので、東日本と西日本に分けてご紹介します。まずは東日本から。
埼玉県鴻巣市というのは全国的にも知られている人形の産地です。人形の産地ということはひな人形の生産も盛んです。そんな鴻巣市の名前を全国的に知らしめているのがここで行われる「鴻巣びっくりひな祭り」です。びっくりという言葉が入っていますが、一体何がびっくりなのでしょうか。人形がやたら大きいとか、そういうわけではなく人形の数がびっくりなのです。会場である鴻巣市役所に巨大なひな壇が設置され、そこにものすごい数のひな人形が飾られます。数についての発表がないので分かりませんが、筆者が写真を見た感じでは数万という数です。こんなにたくさんのひな人形を一目で見る機会というのはありませんから、そういう意味では「びっくり」という看板に偽りはありません。
群馬県渋川市に伊香保温泉があります。この伊香保温泉がPR活動の一環で、有名な石段をひな壇に見立てたひな祭りイベントを開催しています。その名も「石段ひなまつり」。このイベントの主役はひな人形ではありません。実際の子供たちです。地元の幼稚園児や保育園児などが参加して、本物のひな人形の衣装をまとってひな壇に鎮座します。つまり"リアルひな人形"です。子供たちはまだ体が小さいので、遠くから見ると本物のひな人形にも見えます。地域の活性化イベントとしては面白い企画だと思います。
石段を使ったひな飾りと言えば「かつうらビッグひな祭り」というイベントも存在感があります。先ほどの「びっくり」といい、この「ビッグ」といい、ひな祭りにしては少々言葉が柔らかすぎると思うのですが、それは置いておいて、このビッグひな祭りは千葉県勝浦市で開催されます。なお、このビッグひな祭りは同じ勝浦という地名を持つ徳島県勝浦町と千葉県勝浦市で行われます。両者の地名を取って「かつうら」という名称がついているのです。元々は徳島県勝浦町で始まったこのイベント、長い石段に赤じゅうたんが敷かれてそこにひな人形がずらっと並びます。何せ階段ですから、ものすごい段数のひな壇飾りが出現します。しかも飾られるのは1ヶ所ではありません。開催中は町のあらゆるところに「ビッグ」なひな壇が出現し、ものすごい数のひな人形が飾られます。あまりに有名なイベントなので、記念切手まで発行されています。

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