ひな祭りの歌


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ひな祭りにはひな人形、料理、お菓子、そしてなんと歌まであります。これだけ色々な文化が揃っているひな祭りというのは、いかに古くから人々に大切にされていたかが窺い知れます。さて、ひな祭りの歌と言えば一番有名なのが「明かりを付けましょぼんぼりに...」という歌いだしのあの曲です。これは意外に知らない人が多いのですが、あの歌のタイトルってご存知ですか?ほとんどの人が「ひな祭り」というタイトルだと思っているのですが、あの歌は「うれしいひなまつり」というタイトルです。
そんなタイトルの話はさて置き、この歌は4番まであります。普通は「お内裏様とおひな様 二人ならんですまし顔...」で始まる2番までしかないと思われています。この2番の歌詞にはちょっとした解釈論争があるのをご存知でしょうか。歌詞の原文は省略しますが、ひな人形の三人官女の白い顔がお姉様に似ている、というくだりがあります。このお姉様というのは「お嫁にいらした姉様」となっているので、この歌を歌っている本人には兄がいて、その兄のもとに嫁いで来た義理の姉が三人官女に似ているという説と、実の姉がどこかの家にお嫁に行ったということを歌っているという説。このどちらなのかが判然としないために解釈が分かれているそうです。
この歌にはあまり知られていない4番までがあると先ほど申し上げました。3番については右大臣の顔が赤いので、ひな祭りの定番である白酒を飲んだのかなという微笑ましい歌詞となっています。問題は次の4番で、ここでまた解釈が分かれる部分があります。着物を着替えて今日は私も晴れ姿、というくだりがあるのですがこれはいったい誰なのかという話があります。先ほどお姉様のことを歌っているのでそのお姉様の妹にあたる人物がひな人形を目の前にしてひな祭りの喜びを歌っている、と考えるのが妥当です。そのことには特に疑問はないのですが、先ほどのお姉様との兼ね合いで、このお姉様が誰なのかということによってこの「本人」の位置づけが変わってくる、というのです。
さらにはもっと飛躍した意見もあります。この歌は飾ってあるひな人形を眺めている人の目線ではなく、ひな人形の目線であるというもっともらしい意見もあります。これについえては具体的な言い分について割愛しますが、その言い分全てを読むと確かにごもっともだと納得させられてしまいました。
この歌は古くからある歌にアレンジを加えて現在の童謡になったという経緯があります。昔からある歌や童話は実は怖い、というどこかの本がありましたが、この「うれしいひなまつり」にもミステリアスな一面があるのかも知れませんね。

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このページは、isが2008年1月21日 01:46に書いたブログ記事です。

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