ひな祭りに子供が楽しみにしているものはご馳走と、もうひとつは何と言ってもお菓子です。筆者も近所の女の子の家でひな祭りパーティに呼ばれると、ご馳走とともにお菓子が楽しみだったのを覚えています。普段はお菓子を食べられる量に制限があったりしますが、この時だけは好きなだけ食べられるということもありますし、料理を器用にする親御さんの場合は手作りのケーキやデザートなどを出してくれるので毎日がひな祭りだったらいいのにと思ったことすらあります。
ひな祭りに登場するお菓子の定番と言えば菱餅と雛あられですね。菱餅というと何のことか分からない人も多いそうなので念のために説明しますと平行四辺形(?)に切られた板状のお餅を三色積み上げて飾るアレです。ひな人形の横にも飾ってあるのでほとんどの方がご覧になったことがあると思います。この菱餅にはまたもや縁起を担ぐ意味が隠されています。それは三色のお餅のうち、緑色のお餅を作るために使うヨモギです。ヨモギは雑草のようにそこら中に自生している植物ですが、これは薬ととしても利用されている非常に体に良い植物です。古くから薬効があることで知られるヨモギは健康を守るために縁起が良い食材として重宝されています。また三色のお餅に色をつける天然の着色料としても活用されており、色彩的にも優れた食材です。
ひな祭りの時期はもう春が目前に迫っている時期なので、桜餅などもひな祭りのお菓子として出されることが多いですね。桜の花のピンク色が女の子のイメージとぴったりなので、それを出された女の子本人が喜んでいたのが印象的でした。
お菓子についても料理と同じように最近では色々とアレンジを利かせた面白いメニューがあります。お菓子作りに使えそうなこの時期の食材と言えばイチゴです。イチゴを使ったケーキやババロアなどは子供が喜ぶものばかりですし、「桃の節句」なのですから桃を使ったお菓子というのもよく活用されているようです。厳密に言うと「桃の節句」というのは桃の花が咲く時期なのでまだ桃の実は手に入らないんですが、そんな細かいことは気にしなくても結構です。
もうひとつの定番、雛あられというのはなぜ定番なのでしょうか。あられの原料はお餅です。お餅はすぐに固くなってしまいますが、あられにすると長持ちします。雛あられは三色餅と同じように赤・緑・白の色がついていますので、三色餅と同じ毒や汚れを払う意味があるということです。